大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和58(あ)287 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人本人の上告趣意は、事実誤認の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告理由

にあたらない。

なお、本件において、昭和五五年法律第五六号による改正前の(以下「改正前の」

という)宅地建物取引業法一三条の規定に違反した者はA株式会社であり、被告人

は、同社の代表取締役として、同社の業務に関し、同社の名義をもつて、他人に宅

地建物取引業を営ませたのであるから、同法八四条に「その行為者を罰するほか」

とあることにより、改正前の同法七九条三号の罪の行為者として処罰されるものと

解すへきである。したがつて、原判決が被告人の本件所為に対し改正前の同法一三

条、七九条三号のみを適用して、同法八四条を適用しなかつたのは誤りであるが、

この違法をもつて原判決を破棄しなけれは著しく正義に反するものとは認められな

い(最高裁昭和五四年(あ)第一四五一号同五五年一〇月三一日第一小法廷決定・

刑集三四巻五号三六七頁、同昭和五四年(あ)第一二五七号同五五年一一月七日第

一小法廷決定・刑集三四巻六号三八一頁参照)。

よつて、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、

主文のとおり決定する。

昭和六〇年七月一五日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 和 田 誠 一

裁判官 谷 口 正 孝

裁判官 角 田 禮 次 郎

裁判官 矢 口 洪 一

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裁判官 高 島 益 郎

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